< なんでもない日の桜 >

 

いままでかかって超特急で袋詰めを終えたダンボール1箱の写真納品を今朝済ませ、どこで油を売ってもへっちゃらの気軽な身になったので、今日はカメラ屋めぐりするぞ〜、と前の晩から楽しみにしていたんだけど・・・外は雨。三月になってからちょっと降り過ぎなんじゃない?って空に問いかけたいほど雨が多い。しかもこういう休みというか、フリーの時に限って。。。

単車で春の暖かさを感じながら難波から北上しようと思っていた予定が大幅に縮小され、梅田だけ。ひとりで行くに限るのはこういう趣味系の店めぐりと、本屋。思う存分品定めをしたり、どうしようか迷っているときは外でいっぷくしながら行ったり来たり〜。何度もあっちいきこっちいきを繰り返しても誰も文句を言わない。

この日も「どうしよっかなぁ〜」と外に出て一服思案中の目の前に桜が雨にも負けずぶわ!っと咲いていた。

 

とりあえずスルーすることにして今度はたぶんまだ入ってないだろうなぁと思いつつ、馴染みの店に顔を出した。社長はお客さんと交渉中、テーブルの上にはハッセル他カメラ数台。頃合を見計らって、来ましたよ〜と合図を送るといつもの社長節で「まだやねん〜!でも、もうすぐやで!もうすぐ!」 大好きな社長の節回しを聞けただけでもなんだか嬉しい。私はこの店が大好き。いつも忙しそうなので声をかけそびれたりする。

このビル街には何件かカメラ屋さんがあるので少し歩くが今日は足を伸ばしてみる。

途中の信号待ちでへんてこな窓のビルに気がついた。もちろんずいぶん前からなんだろうけど気がつかなかったなぁ。。。小さな写真じゃわからないだろうけど、これね、なんかゆがんでるの。ほんとだよ。

 

舶来を主に扱っている店を覗くと、よだれがでそうな機材が置いてある。でもこのビル内の店は物がいいのを置いているのかちょっと高い値段設定なので見せてもらうことも躊躇する。この店に限らず委託販売という方法が流行りだして店としては保証もなんにもしない、売りっぱなしでけっこうな手数料が手に入るのだからしめたものだ。その中で前からちょっと気になっていたレンズを発見。がんばったからこれくらいいいだろうと勝手に解釈して連れて帰った。一度も使ってないのでは?というほどの新品同様の限定品。きれいな状態で安く手に入るのは嬉しいが、これじゃあレンズとして生まれてきたのにあまりにも可哀相かもしれない。試写して写りが気に入ったらボロンボロンになるほど使い倒してあげよう。マニュアルレンズなのでヘリコイドの動きがとってもスムースで気持ちがいい。視力さえよければ全てにおいてまどろっこしくてしょーがないオートフォーカスなど使いたくない。

このあたりは急にこんなにキレイな空間ができたんだけど(けっこう前)あんまり人がわいわいしているところをみたことがない。誰もいないトコを撮ろうかと傘を首にひっかけてフレーミングしたらカップルが駆け抜けていった。

 

最後にたどり着いたのは良くも悪くもあっという間に定着したヨドバシ梅田。値段はポイントを考慮しても全く安いなんて思ったことは一度もないが、大型店ならではの圧倒的な在庫数が一番の魅力。ネットでHPを見て、クリックしても大きくならない写真で「う〜ん、いまいちよくわからんな」と思ってた部品だとか用品が手にとって見れるのは納得して買えるので非常に重宝する。モノクロの現像液をフジドールにしようかと思って行ったんだけど、現物の前でまた悩み始めて店内をウロウロ。結局いろいろ考えるトコあってまたにした。

梅田で人ごみにもまれた帰りの電車の湿った空気の中で目の前のつり革の女の子がバッグからジュースを出してストローを突き刺してジュルルルと吸っている。両隣は会社帰りのおとうさん。人と人の隙間から向かいのおっちゃんがかろうじて見え、後ろの窓からは強くなった雨がガラスを叩く音が聞こえてくる。

ほんとになんでもない一日、太陽も見れず帰りの片手運転の自転車の道中では桜を見たことすら忘れていた。

 

 

 

 

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