< 朝靄の中に >

 


APO500mm/4.5

久しぶりに空港に行ってみた。夜明けまでPC作業をしているとどうしても体が硬直して運動をしたくなる。運動といってもとにかく座っている動作から開放されたいだけなので犬でもいればお散歩にいくところだが、うちは寝るのが仕事のような猫ちゃんなので久しく握っていなかった黒くて長いレンズ一本をガチャンとくっつけてひとりで朝からお散歩に出た。

千里川方面は今は最高の人手だそうだ。正月すぎにちょっと寄ってみたがものすごい人だかりになっていたのを覚えているのだけど、今はそれ以上になっているんだろうか。撮影どころじゃないかもしれない。ジャンボの飛来が無くなるのもニコンのMFレンズが無くなるというのと同じような現象がおこるのだろう。気持ちはわからないでもない。

ホームグランドであるコッチ側でいつもどおり構えると、朝靄が幻想的に空港を包んでいた。なんとこんなこともあるんだなぁと、パイロットもこれで飛ぶんだから大変(数十メートル飛び立てば快晴だから無問題なんだろけど)と思っていたら撮影する方も大変だったりする。なんせコントラストが思うようにでなさそうでパラメーターの設定が難しい。早くしないと晴れてしまってはもったいないので、ジャンボ狙いを捨ててとにかくテイクオフのタイミングを切り取る。こういう作業だと頭はスッキリと冴え渡り気持ちがいい。

すぐ脇を通勤に急ぐ車がひっきりなしに通り、そしてクラクションをけたたましく鳴らしながらカスメて通り過ぎていく。ファインダーと露出、そして空・朝靄の動きに集中しているとそういうのが聞こえなくなる瞬間がある。そういうときにたぶん体の中の必要な神経が目と感覚だけに一点集中しているんだろう、後からそう思うときがある。離陸の飛行機から少し濃いスロットル全開のスモークが靄を濃く染め、そして黄朱色の空の反対側の真っ青な空へと上昇していく。朝はこの対比が面白い。そして離陸の瞬間は、何度撮っても美しい。

 

 

 

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